2015年10月21日水曜日

曖昧であること・はっきり言わないこと

母親と、初めて対等に喧嘩をした。
というより、私が一方的に怒ってしまったという方が正しい。

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私は自分の母親が好きだった。
私が結婚してから家を離れてからも、
息子のことで私が病気になり動けなかったとき、
息子とのお出かけが難しかったとき、
いつも助けてくれた恩人でもある。
母がいなければ、今の安泰な生活はなかったと言って良い。

母はとてもしっかりしているのだが(と思っていたのだが)、
自分が厳格すぎる家で育ったこと、
介護をしなくてはならず、結果働いたことがなく、あまりにも世間を知らないということ、
そして曖昧さが美徳とされる世代なのか地域なのか、
はっきり物を言わないということ。

そして老化もあるのか、
きっと私(タカマミー)がなんとかしてくれるんじゃないかというような
精神的な依存も感じる。

まあまあ、父のことはあてににできないのも可哀想だし、
お世話になった母だし仕方がない。
そう思って優しく付き合ってきたつもりだった。

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しかし、あることをきっかけに私の中で何かが爆発してしまった。
そんなに怒る事じゃないでしょ、と母は最初思っていたと思う。

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私は怒りのために、普段は思い出してもみないようなことを急に思い出した。
中学生の頃に感じた、理不尽に思えた出来事。
大したことではなかったんだが、一方的に私が悪いと怒られた出来事。
当時はまだ子どもだったし、いろんな想いはあったが、大人に勝てるわけがない。
ちゃんとやっているのに何故と思いながら、謝るしかなかった出来事。

でも、私は息子を育てていく過程で、本当にいろんなことを学んだ。
相手がどんな人であっても、しっかりと伝えなければ、相手にはわからない。
伝えようとする努力をしないのに、何故わからないのだと怒る権利はないのだ。
思っているだけでは駄目なんだ。行動しなければわからないんだ。
やっぱり私は間違っていなかった。
子どもだと思って、ちゃんと説明しなかった母が悪かったんだ。

そういうことを、これまでにも時々思い出していたことに気付いた。

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私は思春期に、きちんと反抗期を通過することができなかったと感じている。
それは、私が元々「まあまあ聞き分けの良い、まあまあお利口な子」であり、
自由な兄に手を焼いている母を見て余計に「私は親をわずらわせまい」と思っていたこと。

そして、いろんなことをやらせてくれて、愛情かけて育てたいと思っていた母から、
彼女の根底にある「自分が子どもの頃経験した、厳格な子育て」が見え隠れした。
有無を言わせない何かがあったのだ。

それでも、一生懸命やってくれたし、私にもいろいろなサポートをしてくれたと思っている。
それでも、何かモヤモヤしたものがあった。

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社会人になってから、なんだか息苦しいなぁと感じて、
かなり喧嘩をしたなぁという記憶もある。
あれが、私の遅く訪れた反抗期だったのかもしれないと感じる。

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そして今、母の表現する「曖昧さ」が気になって仕方がないと感じるようになった。

また、母が私を怒らせたにも関わらず、すぐにフォローしようとしないことにも腹が立った。
「時間を置いた方が良いと思った」
いや、違うやろ?連絡するのが怖かったんでしょ?
きっと、私(タカマミー)からなんとかしてきてくれると思ってたんでしょ?
そう思えて仕方がない。
私の息子のことでたくさん力を貸してくれ、可愛がってくれているのに、
いざ親戚の前に、彼女の知り合いの前に、息子を連れて行こうとすると、ものすごい拒否をする。
ああ、彼女の周りの人には、孫が普通ではない可哀想な子どもだということを、きっと知られたくないんだと感じる。

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曖昧にしておくことは美徳なんだろうか?

のんびり時間を置いておくことで、何か解決するんだろうか?

思ってたけどしなかった、で真剣さが伝わるんだろうか?

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今の私の考え方は真逆だ。
伝えたいと思うことは、きちんと言葉にして伝えなければ伝わらない。
物事にはタイミングがある。
放っておいて勝手に解決するものなんてない。
思ってた考えてたは、自分の中だけのことであって人にはわからない。

母は、いつも前向きに進んでいく私を、周りからだんだん信頼を得ていく私を、
「すごいね、頑張ってるものね。」と応援してくれているのも知っている。
でも、何かで関わったとき、スピード感や考え方の違いに、
母はとまどい、中途半端に頼ろうとし、
娘はいらだち、はっきりさせようとする。

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老いるとだんだんそうなる、と考えないといけないのか。

親にはいつまでもしっかりしていて欲しいと思う、娘の勝手なエゴなのか。

私は人に完璧を求めすぎているのか。

親が曖昧にしていることのツケが、自分に回ってくることをただ恐れているのか。
 
自問自答の日々を過ごしている。
 
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タカマミー
 
 

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