2016年6月29日水曜日

初めてプールが楽しいと思えた日

水が怖いし、顔もつけられない。
プールの授業嫌い。

そう言って浮かない顔をしていた男児。

水に入った彼の姿を見ると、確かに水が怖そうだし、
すぐ鼻に水がはいってゲホゲホしているし、
みんなと一緒のことをさせようとすると体が硬直する。

少し関わってみて、
「楽しいと思えないと、この男児はつらいなぁ」
そう思っていた。

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「明日のプール嫌やねん。でもタカマミー先生と一緒にやったら、やってみたい。」
とのこと。

話し合いの末、男子が泳ぐ時間帯のみ、私と別メニューをすることになりました。
(それ以上の特別扱いはできませんでした)

と言ってもたいして時間もとれないので、
ただ顔をつけてみたり(3秒、4秒、5秒)、
壁に向かって手を伸ばして顔をつけてみたり、
伏し浮きの状態で顔をつけてみたり。

私は泳ぎのプロではないので、ありきたりと思えることをしたまで。
自分自身は泳げるので、きっとこうだろうなという予想とシミュレーションで考えただけ。
目指すべき伏し浮きは、沈むんじゃないかと感じるような怖い態勢なので、
手を支え、股関節のあたりを水面付近で支え、
「プカーン」と浮いている感じを捉えてもらうように補助してみた。

今日の帰り、
「今日、初めてプール楽しいと思った!今度も練習したい!」
そういって笑顔になってくれた。

今日、特別メニューの許可を得に担任の先生と話をしたとき、
「わかった、でも今日はタカマミー先生やけど、次は僕とかもしれんし、△先生とかもしれんからな。絶対タカマミー先生と、とは限らへんぞ!」
そういって釘をさされていたが、次回はどうなりますやら。

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関わった子供全員とは言わないが、
こうやって子供から「是非に」と指名してもらうことが増えてきた。

親身になって、面白そうに、その子にとっては少し簡単なことを繰り返し、
その子の興味に合わせてメニューを組み立てる。
私は長く応用行動分析で息子を療育してきたが、
今は、初期の「良い行動に強化子(ご褒美)を与えて」技法は、ほとんど用いない。
基本は、「その活動そのものが楽しく、もっと、またやりたいなぁ、タカマミーと」
そう、活動自体が強化子になるように工夫する。

それは、きっと彼らにとって長続きし、定着していく方法だからだ。
最初はタカマミーがメニューを工夫をしないとモチベーションがあがらないかもしれないが、
そのうち、活動自体がよく理解でき、完遂したいと感じ、もっとレベルアップしたいと感じたら、タカマミーがフェードアウトしても彼ら自身の活動として生き残る。

そんな日が来るように、最初はみっちりと面白く一緒に活動する。
準備も、環境設定も、周りへの協力要請も、シミュレーションも、
考えたり行動したりすることはたくさんあり、意外と大変。

でもそれよりも、子供がやる気になってくれて、目を輝かせてくれることを想像すると、
やってしまうのです。

そしてそれが、私と息子(Sちゃん)との14年間の歴史でもあるのです。

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図工を見て欲しくて廊下で30分待っていた子供。
漢字ドリルを犯人の声明文に見立てて(これほんとに良かったのかは疑問ですが)取り組んだ子供。
発足したチームタカマミー、メンバー3名。
いろんな子供との話を、また綴りたいと思います。

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タカマミー